混沌に溢れていたエチオピアを発ち、ついに北アフリカのエジプトへ。ケープタウンを発って以来の都会っぷりに胸が踊ります!
それもそのはず、エジプトは南アフリカ共和国よりも経済規模が大きくアフリカで2番目にGDPが高い国(1位はナイジェリア)。首都カイロなんて、これまでと比較するともはや大都市です!
またもう1点これまでと大きな違いは、ここからはアラブの世界だということ。
虫が紙の上を這っただけのように見えるアラビア語が街中に書かれ、イスラム教徒がほとんどのため女性たちはスカーフを被り、早朝にはモスクから「アザーン」と呼ばれる歌が流れてきます。要は、これまでのアフリカとは全く別の世界なのです。
ちなみにエジプトは世界トップクラスに道路を横断するのが難しい国です。こんな感じに5車線くらいあってもどこにも横断歩道は無く、途切れることなく車が来ます。もはや一生渡れないんじゃないかという気がします。
街はアラブ感に溢れつつも、やはり都会!
少し外れに入ると、いかにもアラブの雰囲気が漂っています。
こちら、エジプトの代表的なB級グルメ「コシャリ」です。米、マカロニ、スパゲティ、レンズ豆を混ぜ合わせてトマトソースをかけたもので、ランチなどにピッタリです。そして1食100円以下で食べれるという圧倒的な安さ!旅人飯ですね。
さてエジプトの何よりもの魅力は、なんと言ったって3000年も昔の古代エジプト文明でしょう。世界広しといえど、これほど昔の営みがそのままの形で残り、今も人を虜にし続けている場所はほとんどありません。
圧倒的な繁栄を示す神殿やピラミッドは21世紀になっても驚かされるくらいのスケールで、マスクや棺といった膨大な数の秘宝は、息をのむほどの美しさです。
今回は、カイロからナイル川に沿って南へと下がり、ルクソール→アスワン→アブ・シンベルへとバスで移動して行き、列車で再度カイロへと戻ってくる工程を組みました!まずはカイロ郊外にある『ギザのピラミッド』に行きます。早速ピラミッドが見えてきました!これが噂のピラミッドかー!!テンションが上がる!!
3大ピラミッドの入口には、巷の噂通りスフィンクスがあります。全長57m、高さ20mで、ファラオや神を守る聖獣です。
我ながら怪しい風貌ですね…
ギザの3大ピラミッドは、最も大きい「クフ王のピラミッド」、2番目に「カフラー王のピラミッド」、最後に「メンカウラー王のピラミッド」の3つ。クフ王のピラミッドを作るためには、1つ2.5トンの巨大な石を230万個も使っているそう。ほんと、どうやってこれを3000年以上も前に作れたんでしょ!
近くで見ると、1つ1つの石の大きさがよ〜く分かります。石を運ぶ時には、ソリに乗せて大勢の人で引いたというのが有力な説だそう。
それぞれのピラミッドでは一部、内部見学が可能です(写真撮影不可)。ちなみに、決められたルート以外を登ることは禁止されています。
最近、デンマーク人のカップルが深夜にピラミッドの頂上に無許可で登り、ヌードになった抱き合っている動画をYouTubeに公開して物議を醸していました。手助けをした現地人のラクダ乗りは逮捕されています。本当最低な話ですね…訪れた国の宗教観や文化を大切にしたいものです。ピラミッドからすぐの所にはもう立派に街があります。ピラミッドの受付を出てすぐの所にはケンタッキーとピザハットがあるという文明っぷりが何とも違和感ありますが、もはや世界中どこでもそんなもんですね!
さて、ピラミッドの観光を終えた後は一晩バスに乗り『ルクソール』へ。一時は首都としても栄えたこの街には、ピラミッドではない様々な遺跡があります。
ナイル川沿いをなんとなく馬車散歩。合計料金2ドルと言っていたハズなのに、後から「片道2ドル」だったと言い張って倍の料金を請求されて喧嘩になりました。
ルクソール神殿は街の中心部にあるのですが、夜になるとライトアップされてめちゃめちゃ荘厳な雰囲気を醸し出します。
カッコ良すぎでしょ!!
西岸に渡った先にある『ハトシェプスト女王葬祭殿』、エジプト初の女王のための建築物です。個人的にはエジプト遺跡の中でもトップクラスに好きな外観です。
続いて、ルクソールから電車で3時間超、更に南の『アスワン』にやってきました。ここはエジプト最南端の見どころアブシンベル神殿の拠点となる街です。
それにしても、こうやって南へ下る度に気温は高まっていきます。実はこの時期(6月)はエジプトの真夏で、もうめちゃめちゃ暑い。アスワンまで来ると日中の気温は40度を超えており、もうグッタリです。
早朝4時頃にはアスワンを出発し、バスに揺られること約4時間…
ついに『アブ・シンベル大神殿』にやってきました!
とても3300年前に作られたとは信じられない巨大神殿。とにかくスケールがすごい!残念ながら神殿内は写真撮影不可なので、中を見るためにぜひいつか足をお運びください!
さて、アスワンでもう一泊ほどゆっくりした後は、終日電車に揺られてカイロへと帰ります。
エジプトといえばピラミッドが想起されがちですが、実は『イスラーム建築群』も世界遺産の1つ。さすがアフリカ大陸屈指のイスラム圏。少しエリアを変えれば完全にイスラムの世界が広がっています。
そして、これまであまり大きな影響は無かったのですが、実は今エジプトはラマダンの時期です。
ラマダンは、世界中のイスラム教徒が行う断食の期間で、自身の信仰心を清める目的があります。
期間は約1ヶ月間で、6月頃に毎年行われます。ちなみに断食といっても、さすがに1ヶ月間何も飲まず食わずなのではなく(死んでしまいますしね!)、日が出てから日没まで何も口にしてはいけない、というルールです。
ただしこの時期本当に暑いので、外出していると脱水症状になりかねません。なので皆さんお家に閉じこもります。そして夜になるとみんな街に出てきて、待ってましたとばかりにみんなでご飯を食べ始めるのです。夜、町を歩いているとすごい人の数!しかも、路上で食事が振舞われているので毎日お祭りのような雰囲気になります。
外国人も来るようなエリアでは飲食店もオープンしていますが、いわゆるローカルのお店は日中閉まりますし、博物館も半日営業になるなど、街中に影響が出ます。正直、ラマダンの時期は外国人にとっては不便ですね…
970年に創建された寺院『ガーマ・アズハル』にやってきました。厳かな雰囲気に包まれています。
日が沈み始めると、徐々に人が増えはじめてきました!どうやらこの場所では毎日ラマダン後に食事が配給されているようです。
声をかけてきてくれたアズハル大学の学生、レレさんと一緒に配給をいただきます。この時期は、深夜まで食事をして昼頃に起きる生活だそう。慣れると日中の断食も苦しくないそうです。食べるのは理解できるのですが、こんなに暑いのに何も飲まないというのが信じられない!
暗くなる頃には寺院の中庭も人でいっぱいに!この時期、毎日これくらいの時間帯から街中はお祭りモードに切り替わります。
ラマダン中はテロの発生頻度が上がり少し怖くもありますが、ここでは断食後のご馳走を楽しむ人たちの平和な姿を見ることが出来ました!
ちなみに…カイロの後は、エジプト東部の紅海にて1週間ほど過ごしました!
エジプトのイメージからは想像できない人も多いかもしれませんが、実はエジプト東部はスキューバダイビングの聖地でもあります。
僕は『シャルム・イッシェーフ』と『ダハブ』という町に滞在し10本ほど潜ってきましたが、最高でした。
海が好きな方にもエジプトは大満喫できる国ですよ!!
時も超え国も超え、人を魅了し続けているエジプト。その圧倒的な歴史とスケールは、決して期待を裏切らないものでした!いよいよアフリカ大陸を離れます!
Sohta Yamaji
1985年生まれ、大阪出身。
約1年かけて世界を旅しています。
帰国しました!ブログ書きます!笑