1ヶ月近く滞在してすっかり居心地も良くなったケープタウンともついにお別れです。ここからは、『オーバーランドツアー』と呼ばれるツアーに参加して、20日間かけて南部アフリカを周遊します!
オーバーランドツアーとは?
あまり日本では馴染みが無いので、初めて名前を聞く方も多いかもしれません。
『オーバーランドツアー』というのは、国境を陸路で越えながら大陸を旅するスタイルで、主に大型のトラックにみんなで乗り込んで、キャンプをしながら移動していくツアーのことです。南米やオーストラリアでも同様のものはあるそうですが、特にアフリカは公共交通機関が使いずらい事もあって人気らしいです。(ちなみにキャンプではなく普通にホテルに泊まりながら回れるツアーもあります)
ツアーの種類は本当に色々あって、半年以上かけてアフリカを一周するものから(行ってみたい!!)、1週間以内の短期ツアーまでルートも様々。今回僕が参加したのものはかなりポピュラーなコースで、20日間かけて「南アフリカのケープタウンからナミビア、ボツワナを経由してジンバウエのビクトリアの滝を目指す」というものです。
ツアー会社も色々あり、ヨーロッパ本社のG-Adventures、Oasis、African Trails、アフリカ本社のAcaciaや今回僕が参加したNomadなど、選択肢は幅広いです。
僕が選んだ『Nomad』は(おそらく)アフリカにおけるオーバーランドツアー最大手で、ケープタウンで地元の人たちもオススメしていたので結構ノリで決めましたが、各社によってサービスと価格は異なります。
同じコースのキャンピングツアーでも、価格は10万円〜25万円くらいと幅広く。安いものはトラック設備の質が悪かったり、食事や買出しを自分たちでしなければならなかったりと、快適度で差がついているようです。Nomadはおそらく比較的上位ランクのツアー会社です(価格は約16万円+オプション料金)。OasisやAcasiaはもう一段安く、一方G-Adventuresはもう一段高いかと思います。
とはいえそれぞれの会社に、グランピング(いわゆる贅沢キャンプ)をしながら回るツアーがあったりと、結局はツアー毎にランクが分かれていたりするので、色々見比べて決める事が出来ると思います。
先述の通り、僕はNomad社のキャンピングツアーを選びましたが、結論としては大満足!本当に素敵な体験をする事が出来ました!
※ちなみに、各所観光スポットを回るツアーはもともと基本料金に含まれているものと、オプションのものとに別れています。オプションのものは申し込み時にまとめて支払うことも出来ますが、個別判断で申し込むのをオススメします。特に「ビクトリアの滝の入場料」は、Nomadを通さずに自分でエントランスで支払うだけで10ドルくらい安くなりました。
オーバーランドツアーで過ごす日々
さて、そのオーバーランドツアーではどんな日々を過ごすのか。
ツアーなのでもちろん各所の観光地や見所を廻るのですが、実際のところ、その魅力は移動とキャンプにあると思います。というか、単純にそれらが占める時間が長い、というのもあります。笑
いかんせん広大なアフリカを陸路で移動していくので、毎日長時間のドライブ。おそらく平均で1日6〜7時間くらいは移動しているんじゃないでしょうか。アフリカの景色をたんまりと堪能出来ました!
大自然のど真ん中を、ひたすら走り続けます。
毎日毎日ドライブをしていて、何が見えるのかって?特に何もありません(笑)。昔、誰かが言った「“何も無い”が、ここにはある」ってやつです。笑
とはいってもひたすら景色を見ている訳ではなく、移動中は音楽を聴いたり本を読んだり、あと実際は結構みんな寝てます(笑)。毎日朝早く出発するので。
広大なアフリカを走り続けるので、トイレは道端の茂みですることも多いです。女性は慣れるまで少し大変かもしれませんが、なかなか開放感抜群で気持ち良いですよ!笑
「トラック」と言っても中はかなり快適で、大型のキャンピングカーみたいな感じです。バックパックを入れられるロッカーが人数分あり、椅子にはUSBの充電が出来るようになっています。ちなみにトラックの中に全員分のテントやイス、調理器具や冷蔵庫など全て入ります。
長いドライブを終え、見所を回った後はキャンプ場へ。キャンプ場に着いて最初にする事は、テントの設営です!
テントは、中に人が立てるくらいの高さがありストレス無し、ふかふかのマットレスが貸し出されます(寝袋は要持参)。
食事は、サブガイド兼コックをしているスタッフが中心となって作りますが、僕ら参加者も時々手伝います。特にランチの時間はみんなで野菜をカットしたり肉を焼いたりして、だいたいサンドイッチを作ります。特に普段から料理に慣れている人が手際よく進めてくれていました。
朝はパンやシリアルといった簡単な食事を、夜はスタッフが結構凝った料理を作ってくれます。アフリカンシチューからボロネーゼ、ジビエのステーキやインドカレーなど、これが相当美味しいです。多分スタッフによって差があるのかもしれませんが、僕が参加した時のスタッフは最高でした。
この日はウシ科の一種「オリックス」肉のバーベキュー。これがまた美味い!
ディナーは、備え付きのテーブルで食べる時もあれば、こんな感じでみんなでキャンプファイヤーを囲んで食べる時もあります。空を見上げれば満天の星空。アフリカで星空の下キャンプファイヤーを囲みながらご飯を食べるとか、最高じゃないですか!
食事が終わる頃に、ガイドが翌日のスケジュールについてざっくりと説明。そこに住む民族の特徴や町の歴史などを交えながら話してくれます。
食事の後は、たいてい飲みます(笑)。キャンプ場には簡単なBARスペースがあるところが多く、そこで酒も買えます。もちろん、ゆっくりテントで読書している人もいれば、早めに寝ている人もいますよ!過ごし方は人それぞれですね。
朝起きたら、これまた清々しすぎる環境の中でコーヒーを飲みながら朝ごはん。最高じゃないですか!
特に南アフリカ〜ジンバウエのコースには快適なキャンプ場が多いらしく、意外なくらい快適でした。ほとんどのキャンプ場には清潔なトイレとシャワーがあり、時々プールやWi-Fiもついています。キャンプツアーといえど、本当に過酷さはありません。
日中は圧倒的な開放感を味わえるキャンプ場。
夕方は真っ赤な日に照らされ…
夜は満天の星空。最高じゃないですか!
ちなみにこのツアーでは、週に1回のペースで街に行ってロッジに宿泊します。久しぶりのベッドにみんなテンション上がりまくりです。笑
今回のツアーに参加したメンバーは全員で17名(途中で入れ替えあり)。初期メンバーの出身地はアメリカ1人、オーストラリア1人、スイス2人、フランス1人、ドイツ2人、ブラジル3人、韓国5人、香港1人、日本1人。
やっている仕事も警察官、レストランオーナー、キャビンアテンダント、世界銀行を退職して教授になる予定の人、元教師の定年退職者、兵役前に旅行を楽しもうとする大学生などなど幅広く。
基本、コミュニケーションは英語になりますが、英語力に関しては半分くらいはほぼネイティブレベル、逆にもう半分はほとんど話せない、という感じでしょうか。今回たまたま韓国人が多くて意外と話せない人も多かったですが、あまり問題なくみんな楽しんでましたね。一人で参加する人は多少話せないとちょっと辛いと思います(特に食事時など、団欒タイム)。
もちろんオーバーランドツアーは「安全なトラックに乗って主要な見所を回れる」というメリットもありますが、やはりその魅力は「多国籍で多様な人たちと日々キャンプをしながら一緒に旅をする」というプロセス全体にあると思います。
普通に旅をしていても様々な人たちと出会いますが、長い期間ずっと一緒に行動する事は稀ですし、さらにアフリカでキャンピング、というのが素敵じゃないですか。
時にはみんなで川遊びしたり、
カヌーに乗って川下りしたり、
広大な景色に見とれたり、
砂漠を照らす朝日の美しさに息を呑んだり、
サファリで大興奮したり、
先住民族の生活を垣間見たり、
そうやって、みんなでアフリカをどどーんと感じながら旅をしていく。
普段とは少し違うスタイルで、けれども本当に素敵な時間を過ごす事が出来たオーバーランドツアー。一生記憶に残る時間を過ごせたと思います。
後編では、ざっくりと20日間のダイジェストを書きたいと思います!
Sohta Yamaji
1985年生まれ、大阪出身。
約1年かけて世界を旅しています。
かなり満喫できるツアーですね!
個人で周るのもいいけど、絶対こっちのが楽しいですね!