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帰国しました!ブログ書きます!笑

YAMAJOURNEY
2018.09.30
【エチオピア】バイク2人乗りの旅、少数民族ハマル族の村へ!
category : Others / country: Ethiopia

ラリベラを離れ、エチオピア南部の町『アルバミンチ』へと移動します。南部へやってきた理由は、エチオピアの少数民族の村を訪れるためです。

 

エチオピア南部にはかなり個性的な、かつ様々な少数民族が暮らしており、その生活を垣間見ることが出来ます。子供の頃からアフリカ人に憧れていた写真家「ヨシダナギ」が始めてアフリカで訪れた先も、ここエチオピア南部だったと聞きます。

 

なんとこのエリアには80を超える少数民族が暮らしているそう。さすがに全部の少数民族を訪れることは出来ませんが、せっかくなのでいくつかの村は行ってみたい!という事でやってまいりました!

 

少数民族の村を巡るにあたって拠点となるのはアルバミンチという小さな町で、徒歩20分も歩けばもう町外れに出て何もなくなるようなところです。ここから各村への行き方は、「極めて不安定な公共交通機関&ヒッチハイクを活用する」か、あるいは「車をチャーターする」の二択になります。

 

前者だと安いですが日数を食ってしまうのでどうしようかな〜と考えていたところ、ちょうど個人でガイドをしているシサイという名前の青年が話しかけてきたので、彼とプラン交渉を進めることにしました。

 

色々話し合った結果、車ではなく「バイク」をチャーターし、シサイと2人乗りで3日間かけて村を巡ることにしました。1人だし車を貸し切るのはなんか勿体無いですし、バイク2人乗りとかなんか楽しそうじゃないですか。(料金は、バイクチャーター代+ガイド料で1日50ドル)

という訳で、初日からいきなり6時間のドライブです!それにしてもここはエチオピア、ところどころ道路に穴が空いていたり突然牛が飛び出してきたりして、ふるい落とされないようにするのが命がけです。

 

一度、シサイが時速100kmくらい出して本当に命の危険を感じた瞬間があってちょっと強めに注意したのですが、彼は爆笑していただけでした…

途中にあるいくつかの小さな村を除けば、後は本当に何もない道をひたすら走ります。バイク二人乗り旅、ちょっとキツイけど楽しい!

 

走り始めて2時間ほど。「コンソ」という村にある川では、村の住人たちが水汲みや洗濯や水浴などをしていました。生活をする上で川が近いというのは本当重要ですね。

 

この日は近くでマーケットがあるらしく、近隣の集落から人が集まります。何時間も歩いて買い物へ行くなんて、本当に想像できない日々です。

 

 

そんな感じでさらに数時間ほど走った頃に、トラブルが発生。

 

急に僕らが乗っていたバイクから、カラカラという変な音がなり始めました。どうやらブレーキの部品が壊れてしまったようです。

 

初日からブレーキが壊れるとか、先が思いやられすぎます。笑

 

さすがにこれには、うちの大胆なシサイも危険を感じたらしく、「今から近くの村に行って修理してくるから、ここで待っててくれ」と。

 

う…色々言いたいことはあるが、まあ仕方ありません。そして彼は去っていきました。

待つこと30分。本当に何もない道のど真ん中に一人。鼻歌歌うくらいしかやることがない。

 

ちょっとブラブラ歩いてみると、徒歩5〜6分先のあたりに小さな集落を見つけました。どうせ暇すぎるのでちょっと見に行ってみます。

 

すると、集落の入り口にたくさんの子供達が!さすがにこの集落を訪れる外国人はめちゃめちゃ珍しいのか、本当に嬉しそうに一緒に遊んでくれました。男の子の一人はテンション上がりすぎてやたら僕の腕にキスしてきました。笑

 

彼らの名前を頑張って練習したり、簡単な英語を教えてあげたりするうちにあっという間に時間は流れ、ついにシサイが修理されたバイクと共に帰ってきました。(それにしても、こんな場所でも「ABCの歌」を子供たちが知っていた事にビックリ!)

別れ際には、子供達は手作りのアクセサリーをプレゼントしてくれました。翌日には紐がちぎれてバラバラになってしまったけど…とにかくありがとね!予想外のトラブルが、素敵な出会いを生むものです。

 

気を取り直してさらに進むこと1時間ほど。ようやく本日の目的地「トゥルミ」にやってきました。今日はここで大きなマーケットが開催される日で、近くからハマル族という少数民族の方々が集まってきます。

 

ハマル族は、エチオピア南部の中でも2番目に人口の多い民族です(約4万5000人)。赤土とヤギのバターを髪に塗り込んだ独特なヘアースタイルや、ヤギ革のスカートやアクセサリーを身にまとうなど、とてもファッショナブルなスタイルが特徴的です。

 

髪の毛に塗り込んでいる赤土・バターは肌にも塗っているので、肌の色も赤黒いです。獣の皮だけではなく、ビーズを使ったアクセサリーも好みます。

 

凄いインパクトや…!!

 

さてさて、しばらくマーケットを散策した後は、本日のクライマックス。ハマル族が古くから行なっている『ブルジャンプ』という儀式が本日近くの村で行われるということで、それを見に行きたいと思います。

 

『ブルジャンプ』というのは、村の男子が成人を迎える頃に、これから大人の男としてたくましく生きていくぜ!というのを誓ってブル(雄牛)の上をジャンプする、という催しです。要は、ハマル族版の成人式みたいなものです。とにかくかなりインパクト大の催しと聞いていたので、必ず見たいと思っていました。

 

という訳で、早速その村に向かおうとしたところ、ここでも問題が…!

なんと、村に向かう途中にある小川が氾濫して、交通止めになっているとのこと。「この様子じゃ村までいけないので、今回はブルジャンプは諦めよう」とシサイ。

 

…な、なんだって〜!?

 

かなり危険な状態なので、同じくブルジャンプを見にいく予定だった中国人グループも訪問を断念したそうです。そ、そんな。せっかくここまで来たのに…。泣

 …と思っていたら、ちょくちょく、現地の方々が川を渡っているじゃないですか!(かなり流れが急なので、複数人で手をつなぎながら渡っているようです)

 

これは…もしかして、行けるのでは??

 

 

という事でシサイに相談。

 

僕「これ、もしかして、頑張ったら渡れるんじゃないかな?」

 

シ「う〜ん…流れも急だし、この後さらに水量が増えて戻ってこれない可能性もある。正直、オススメできないな」

 

僕「けど、この流れなら多分大丈夫だと思うんだよな〜。元陸上部だし(?)。もしさらに水量増えそうなら急いで戻ってきたらいいし。最悪、もし夜戻ってこれなかったら、向こう岸で野宿でもいいし」

 

シ「けど…リスクはあるよ」

 

僕「リスク…取ろう!こんな時はリスク取るからこそリターンがあるんでしょ!!行こう!!」

 

シ「う、う〜ん…い、行くかー!!」

という事で、リスクを取って川を渡ってブルジャンプの村まで行く事に!川の流れは多少強かったですが、なんとか無事に渡ることが出来ました。

 

川を渡ってさらに歩くこと1時間ほど(川の水量が増えても、すぐ戻ってこれる距離ではなかったですね)。

 

ようやくブルジャンプが行われる村に到着!!

 

シサイが村長らしき人と見学依頼の交渉。なんとか承諾を得て、無事に見学&写真撮影の許可をいただきました!しかも、今回見学をするのは僕一人ということで、かなり近い距離感で見ることが出来そうです。川を渡った甲斐があったー!

 

という事で、なんとかブルジャンプ見学スタートです!

お婆さんも子供も、村中の人が集まってきています(とは言っても小さな村なので全部で30人くらい?)。ブルジャンプは、この催しのフィナーレになっていて、それまでの間みんなで歌を歌ったり酒を飲んだりと少しずつ盛り上げて行くようです。

 

座っている男性達は、過去にブルジャンプを終えた大人の男たち。今回の主役のブルジャンプ成功を応援します。

 

女性たちが円を描くように踊り始めました。

 

ところで、実はこのブルジャンプにはもう1つ大事な儀式があります。それは主役の男性とは別に女性が行うもので、ウィッピング(鞭打ち)と呼ばれています。

 

ウィッピング…その文字通り、女性たちが体を鞭で打たれるという儀式です。

 

もはや僕らには理解できない世界観なのですが、これは、女性が自分の体を傷つけることでジャンプする男性への愛情を示し、応援の気持ちを表すというものだそう。

鞭を打つのはすでに成人となっている男性たち。女性陣は、手作りの鞭を男性へ渡して「どんどん打って!」という感じで体を差し出します。しかも、一度二度ではなく何度も鞭を打つように求めます。

 

打った瞬間に響く「ピシィッ!」という音。い、痛い…

 

この儀式は本当に意味深いようで、女性たちは決して痛そうな表情をしません。それどころか、複数の女性が競い合って「私を打ってよ!」とばかりに求め争うほどです。本当、とんでもない儀式です…。

女性たちの背中には痛々しい跡が残っています。これも1つの勲章なのでしょうか…

 

次に、女性たちが何やら飲み物を作り始めました。ちなみに今注がれているのは、僕は最初オリジナルのお酒か何かかと思っていたのですが、川の水でした。い、色が…

 

具体的にそれが何なのかは分からないのですが、やはりお酒を作っている様子。

 

ちなみに、別のお兄さんはまた他の何かを作っていました。

 

宴はどんどん盛り上がってきました。女性達は何か歌を歌ったり、ブブセラ(?)のような楽器を吹き鳴らしたり、とにかく独特な音楽がこの場に広がります。

 

宴が始まって1時間ほど経ったころ。早速、作りたてのお酒が村人たちに振舞われました。円になって集まっている全員に、お婆さんが順に飲ませます。

 

一人ずつ一人ずつ。

 

…これは…くるよな、絶対。僕も明らかに円の中に入ってるしな…。

 

僕の目の前で足を止めるお婆さん。ああ、あの川の水で作った酒かぁ…!

 

「い、いただきます…!!」

 

という訳で、こちら謎の飲み物いただきました。もはやどんな味なのかよく覚えていません。

酒を飲んだ後は、急に男性陣みんなが集まりだしました。

 

輪の中心にいるのは今回の主役。な、何が始まるんだ…!?

 

上手く説明できないのですが、いくつか謎の動きがあった後、どうやら牛乳のようなものを彼が飲んでこの場は終わりました。このパートについてはシサイも何も説明してくれなかったので良く分かりません。笑

 

さて、いよいよ日も沈みそうな時間帯。ついに宴は終盤を迎えようとしています。

 

 村人全員が協力しあって、ブル(雄牛)を一箇所に集めていきます。

 

笛を鳴らし、鞭を使って威嚇し、徐々にブル達が集まってきました。

 

さらに一列に並べられるブル達。裸になっている主役の男性から、緊張感が伝わります。

 

さあ、いよいよその時です。

見守る男性陣。

 

そして女性陣。

 

いったぁ!!!

 

ブルジャンプは、この並べられた牛の上を3往復しました。途中一度、牛から落ちてしまったこともありましたが、それは問題ないようです。

 

無事に彼は、この日成人としての第一歩を迎えたとさ。

 

鳴り響くブルセラの音、女性達の鞭打ち、手際よく牛を集める村人たち、その牛の上を飛ぶ主役。もはやそこで起きていること全てが、あまりにも想像を超えていて、本当に刺激的な世界でした!川を渡ってまで来た甲斐があったー!

さて、暗くなる前に急いで川まで戻ります。幸い川の水量は増えておらず、無事に渡りきることが出来ました。実は、この日は別のハマル族の村に泊めさせてもらう予定だったので、急いでその村まで向かいます。

 

本当はこの後夕食を村の方とご一緒できれば良かったのですが、時間が非常に遅くなってしまったので今日は簡単にご挨拶だけさせてもらい、お家の隣にテントを張って寝させてもらう事に。濃い1日でした。

翌朝。すぐ隣にいる牛達の元気ななき声と共に目を覚まします。

 

早速、オリジナルのコーヒーを淹れていただきました。

 

 うん、まあまあいける!ちょっと渋みが強いですが、確かにコーヒーです!

 

コーヒーで一服後は、村を散歩。この村は、シサイのお友達が生まれ育った村らしく、その友人が村を案内してくれました。

 

村の青年達が何か買ってくれ、と言ってきたので、彼がつけていたブレストレットを購入しました。

 

村を一回りした後は、朝ごはん。何かの穀物を練ったものと、自家製ヨーグルトです。もちろん手を使ってこの器から直接食べる感じです。ヨーグルトはちょっと酸っぱくて、あんまり美味しくはなかったかなぁ。

 

せっかくのハマル族の村でのホームステイ、(睡眠時間を除くと)たった数時間の滞在で、あまり十分に彼らとコミュニケーション取ることも出来ず少し残念でしたが、それでも彼らの生活スタイル、食事などをリアルに感じれる良い機会でした!

 

今回、エチオピア南部で最も会いたかったハマル族、貴重なブルジャンプやプチホームステイ体験など出来て本当に貴重な経験でした!

 

この日は、また別の村へと移動します!

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PROFILE

Sohta Yamaji

1985年生まれ、大阪出身。
約1年かけて世界を旅しています。

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