お気に入りのクスコを発ち、ボリビアとの国境の町プーノへ。ここは富士山よりも標高が高い「チチカカ湖(3890m)」が有名です。この名前は…!日本の『TITICACA』という雑貨チェーンを思い出しますね。
チチカカ湖は、湖そのものも綺麗なのですが、何より興味深いのは湖に浮かぶ『ウロス島』。トトラと呼ばれる水草(葦)を積み重ねて作られた人口の島で、なんとそこで700人もの島民が生活しているといいます。
まるでファンタジーみたいな話ですが、今も島民が生活しているその島に訪問するツアーがあるという事で、参加してきました。
プーノの港を出て1時間弱で、早速一つの島が見えてきました!(ウロス島は一つの島ではなく、何十という小さな島の集合体です)
凄い!本当に草で島が造られています。
早速島に上陸し、見晴らし台に登ります。この島は5家族ほどが住む小さな島。ツアーによって訪ねる島が異なるみたいです。ちなみに島に「地面」は無いので、歩くと足下は少し沈みます。クッションの上を歩いているような感覚です。
ちなみにその見晴し台は、主に、近くの島の人に声をかける時に使うとのこと。
さて、どうやって島を作っているのかというと、この「トトラ」という草(湖に生えています)を乾燥させて、束ねて縛り、積み上げていく。水に浸かっている部分は腐っていくので、どんどん上に補充して島を維持し続けるという訳です。
一説によると、同じ島の仲間同士で喧嘩をするとノコギリで一部を切り離したり、結婚をしたカップルがいると島同士を繋げたりしているとか…相当柔軟性が高い島です。
ちなみにこのトトラは食べる事も出来ます。試してみると、味の無いネギって感じで特に美味くはありません。島の子供はずっとかじってました。
ちなみに島だけじゃなく家もトトラで作っています。
船もトトラ製です。
という事で、試乗させてもらいました!頑丈なつくりで乗り心地抜群!!
と思ったら、見えちゃいましたね…トトラの隙間から…ビニールの船が…笑
(昔は本当にトトラだけの船を使っていたみたいです)
さて、彼らは何故、わざわざこんな生活をしているのでしょうか?
最も有力な説は“インカ帝国が健在だった時代に、インカ族から逃れてきた”というのが始まりだったみたいです。一時はペルーを支配したインカ帝国は滅び、そのインカ軍から必死に逃げていた彼らは今もここで独自の文化を守り続けているのは興味深い話です。それにしても湖の上に草で島を作って暮らすとは…なかなかイノベイティブな逃れ方をしましたね。
1997年には2000人以上いた島民も、その多くは本土に移り、今では700人ほどが残っているということ。彼らの収入源はほとんどが観光業で、今やそのライフスタイルに慣れきっているのでそこに定住しているとの事でした。
本当に、世界には色々な人たちがいます。
ウロス島を出て更に湖の内部に進むと、今度は「タキーレ島」という別の島があります。ここは、ちゃんと地面のある島です。
タキーレ島は、人口1600人ほどの「織物の島」です。ペルー随一の技術が代々引き継がれており、『タキーレ島とその織物技術』として世界無形文化遺産にも指定されています。
和やかなムードが漂っていて、なんとなく沖縄の離島に来たような感覚です。
この島では、糸を編むのは男性の仕事と決まっているとのこと。素敵な笑顔をしながらもずっと手を動かしています。
子供も、完全に慣れきった様子で編み続けます。
ツアーの後半では、島民の皆さんが歌を歌ってくれました。
島自体には特に何もありませんが、織物をこよなく愛する島民の姿が印象的なタキーレ島でした。
同じペルーでも、クスコやマチュピチュとは全く異なる生活をしているチチカカ湖の人たち。ペルーはやっぱり面白い!
Sohta Yamaji
1985年生まれ、大阪出身。
約1年かけて世界を旅しています。
帰国しました!ブログ書きます!笑