イグアスの滝を出た後はブエノス・アイレスを経由し、更に南下。どんどん南極へと近づき南米南部パタゴニアにやってきました!
アウトドアブランドの名前でもよく知られるPatagonia(パタゴニア)。アルゼンチンとチリにまたがる地域で、大規模な氷河や切り立った山岳地帯がある事で有名です。パタゴニアのレインジャケットを10年近く愛用していた僕としては、行かない訳にはいかない!という事でまいりました。
さて、今回パタゴニアでどうしても行きたかったのは下記の3か所。
①パイネ国立公園(トレッキング)
②フィッツ・ロイ山(トレッキング)
③ロス・グラシアレス国立公園(氷河観光)
スケジュールの関係で、パタゴニア滞在期間は1週間弱。かなり駆け足でしたが楽しんできました。
<スケジュール>
Day1. 午前:エル・カラファテ着 / 午後:バスでプエルト・ナタレスへ(5時間)
Day2. 終日:パイネ国立公園トレッキング
Day3. 午前:バスでエル・カラファテへ(5時間) / 午後:バスでエル・チャルテンへ(3時間)
Day4. 午前:フィッツ・ロイ山トレッキング / 午後:バスでエル・カラファテへ(3時間)
Day5. 終日:ロス・グラシアレス国立公園観光
Day6. 午前:空路にてブエノス・アイレスへ
①パイネ国立公園トレッキング
まずはアルゼンチンからチリへの国境を渡り、『パイネ国立公園』麓の町プエルト・ナタレスへ。夜に到着して一晩寝た後は、早速早朝からパイネに向かいます。
パイネ国立公園はパタゴニアを代表するトレッキングスポットで、角のある山々と美しい湖が見所。1週間以上かけて公園を一周するコースから、4〜5日かけて主要どころを回る人気のWコース、日帰りトレッキングまでコースも様々です。
本当は4日間のWコースで回ってみたかったのですが、残念ながらスケジュールの関係で日数を取れなかったので日帰りトレッキングに。
管理本部で入場料を支払った後は、早速パイネに入ります。
登山口にあるホテルの受付で、軽食(ビールも!)を取れます。
さすがパタゴニアを代表するパイネ国立公園!世界中から多くのトレッカーが来ています。残念ながら天気は曇り…
目的地である『トーレス・デル・パイネ』まで登り4時間、下り3時間の予定です。日帰りといえど、それなりに長い行程です。
緑豊かでダイナミックな景色が続きます。
時には森の中を歩くことも。
登り始めて2時間半。奥に見える丘を越えれば、いよいよトーレス・デル・パイネです!
最後の1時間は急登…。い、意外としんどいじゃないか…!
出発して約3時間半、ついにトーレス・デル・パイネに到着!山の形がカッコイイ!そして湖の色が綺麗!ちなみに「トーレ」というのは英語でいうタワー(塔)のこと。パイネのタワー達、という意味ですね。雲は多かったものの、山はほぼ全容を見せてくれました。
この山容と湖のコンビネーションが、絶妙な美しさでした!
町に戻るバスは19時半が最後なので、それに間に合うように下る必要があります。帰りは下りなので比較的楽になりますが、それでもなかなかの距離。登山口に到着した頃にはぐったり疲れていました。
②フィッツ・ロイ山トレッキング
さてさて、パイネに続いて次もトレッキングです。再度バスで5時間かけてアルゼンチンに戻り、そこから更に『フィッツ・ロイ』麓の町エル・チャルテンに向かいます。
フィッツ・ロイは、アウトドアブランド『パタゴニア』のロゴマークにもなっている山。これがまた、とにかくカッコイイんです!標高3405m、日本の槍ヶ岳を彷彿とさせる、先の尖った山容です。
バスでエル・チャルテンに到着すると、もうすでにフィッツ・ロイが頭を出しています。まさに町の看板通りの形。これ、知ってる!これパタゴニアのロゴや!!!
※参考:Patagoniaのロゴ
ところで、フィッツ・ロイを見るなら日の出の時間は要チェックです。日の出の時間に「日を浴びて赤く染まるフィッツ・ロイ」が見れるからです。
町から1時間半ほど歩くとフィッツ・ロイが美しく見れるスポットが2ヶ所あり、1つは見晴らしの良い展望台、もう1つはカプリ湖という湖と一緒に山を拝む事が出来る場所があります。日の出は6時半頃なので、僕は宿を4時半頃に出発し、後者のカプリ湖を目指すことにしました。
翌朝。
出発時は当然真っ暗。ヘッドライトの明かりを頼りにぐんぐん進みます。思ったよりも傾斜があり意外と息が切れますが、とにかく真っ暗なので気にせず黙々と歩きます。少しずつ空が明るくなってきました。
そして6時前、カプリ湖に到着!
日の出前。空は明るくなってきていますが、まだ日は出ていません。ここでじっと日の出を待ちます。
しばらく待っていると…突然フィッツ・ロイが赤くなり始めました!
どんどん赤くなっていきます!
おお、カッコいい、カッコよすぎる!!
時間にしてわずか5分ほど。その後は、まるで何も起こっていなかったかのように元の色に戻っていました。
ちなみに先ほどの写真では雲ひとつない快晴に見えましたが、この反対側の空(日出側)には薄い雲がかかっていました。それがなければ、きっと更に赤く染まっていたのだと思います。
それでも、もともと「煙の山」と呼ばれるほど雲がかかっている事が多いフィッツ・ロイ。その全容を見れただけでもラッキーでした!
わずか5分だけ見れる絶景!早朝に出発して歩いてきた甲斐がありました。
それにしても、赤いとか赤くないとか以前に、本当にカッコいい形をしていますね!
カプリ湖から更に3時間ほど歩くと『ロス・トレス湖』という更なる絶景スポットがあるというので、続けて奥へと進みます。カプリ湖から先は、ほとんど傾斜のないフラットな道が続きます。
途中で出会った日本人のご夫婦と一緒に、少しずつフィッツ・ロイに近づいて行きます。
いや〜、どこから見てもカッコいい。
ああ、カッコいい!!
こうしてフィッツ・ロイを拝みながら急ぎ足でロス・トレス湖に向かっていたのですが、意外とトレッキングルートが分かりづらく、何度か道に迷ってしまいました(他のトレッカー達も迷っていて、みんなでルートを探しました。笑)。
そうやって迷っているうちに時間は刻々と過ぎ…残念ながら帰りのバスの時間が迫ってきてしまいました。結局ロス・トレス湖には行けず…残念!!まあ、次回来た時の楽しみに取っておきましょう。
ちなみに、日の出フィッツ・ロイを見るのにオススメの、もう1つのスポット(展望台)がこちら。湖は見れないもののかなり開けた場所になっており、ここはここでオススメです!
下山時には、山の中腹からエル・チャルテンの街並みが見れました。駆け足でしたが、フィッツ・ロイが見れて本当に良かった!
③ロス・グラシアレス国立公園観光
さて、フィッツ・ロイ山トレッキングの翌日は、氷河で有名な『ロス・グラシアレス国立公園』に向かいます。ここには南極、グリーンランドに次ぐ面積の氷河があり、かつ比較的気温が高いことから、運が良ければ氷河が崩れ落ちる場面を見ることも出来ます。
ちなみに氷河は、長年に渡って雪が堆積し、その重さで圧縮され密度を増すことで出来上がります。また、あまりの重さゆえにちょっとずつ変形し、動いているのも特徴です。そうやって外に押し出された氷河が、気温の高さで溶けた時に崩れ落ちるという訳です。
公園内にある「ペリト・モレノ氷河」は公園内でも一際大きな氷河で、一番の見どころです。
全長約35kmという大きさ!展望台からは、かなり近い距離で見る事が出来ます。
ここの氷河は、なんと毎日平均2mも動いているみたいで、それが活発な崩落を引き起こしているようです。…が、残念ながらこの日は氷河の崩落は見れませんでした。
展望台よりも更に近くまで寄るボートツアーも人気のようです。
僕はボートツアーではなく、トレッキングツアーに参加しました。って、どんだけトレッキング好きやねん!…と言うなかれ(笑)。人生初の氷河トレッキングです!
さて、早速スタート!アイゼンが氷に刺さる感触は、雪山とも違って楽しい!気持ちよくザクザクっと音を立てます。この感触だけで参加する価値ありです。
その光景は、何だか別の星に降り立ったような感覚です。とてつもなく大きくて青い氷河に圧倒されます。
ところで、氷河の色が青い理由をご存知でしょうか?
まず、太陽の光というのは赤から青まで無限の色で出来ています。ただの雪も氷河も、その光を反射して何らかの「色」を持つ訳ですが、雪というのは空気を多く含んでいるため光が乱反射して、結果ただの白色に見えます。
一方氷河は、ほとんど空気を持たない極めて透明度の高い氷になっているのですが、そこに太陽の光が当たると、赤っぽい色は吸収してしまい、波長の短い青色だけを反射するため、氷河の色は青くなる、というのが理由だそうです。
ではなぜ気泡を持たない氷は青色だけを反射するのかというと…それはちょっと良く分かりません(笑)。ちょっとググってみたのですが深みに入りそうでしたので…とりあえず、ざっくりそういう事らしいです。
1時間ほどの散歩だったでしょうか。長すぎず短すぎず、いい具合に氷河を堪能出来ました。
そして最後にはお待ちかねの…
ウイスキーの氷河ロック割り!!いえーい!!なんか分からんが、美味い!気がします!
最後に寄った洞窟も何とも神秘的な青さでした。という訳で氷河トレッキング堪能しました!
ちなみに余談ですが、エル・カラファテで泊まったホステル『America Del Sur Calafate Hostel』がめちゃめちゃ良かったです。ドミトリー1泊で19ドルとかなりお高いですが、一流ホテルかのように快適なロビーが本当に心地いい。オススメです!
さて、日本の約3倍の大きさを持つパタゴニア地方。チリ側、アルゼンチン側を合わせると何と30ヶ所もの国立公園があるという事なので、今回僕が回ったのはあくまで一部です。それでも、この広大な大自然を感じる事ができました。
個人的には一番の魅力は「カッコイイ山」でしょうか。
日本の富士山や槍ヶ岳、北米のヨセミテやデナリ、ヨーロッパのマッターホルンやアイガーなど、世界各地にカッコイイ山はありますが、僕の中ではパイネやフィッツ・ロイは間違いなくその中にランクインする、美しい山容を持つ山々でした!
またいつかゆっくりと時間を取って回ってみたいと思います。
Sohta Yamaji
1985年生まれ、大阪出身。
約1年かけて世界を旅しています。
知らない間にブログこうしんされてるw笑
せめて週1くらいで更新したい!笑
フィッツロイの天気のよさ!
スゴイ強運やね!!
せっかく天気も良いという抜群のタイミングにも関わらず、詰め詰めのスケジュール故に一番奥の展望台まで行けなかったことが心残りです・・・!