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帰国しました!ブログ書きます!笑

YAMAJOURNEY
2018.08.07
【タンザニア】アフリカ最高峰キリマンジャロ(5985m)の頂上へ
category : Others / country: Tanzania

サファリを終えた後は、アルーシャからバスで2時間ほどの小さな町『モシ』にやって来ました。タンザニアに来たもう1つの目的「キリマンジャロ登山」の麓の町です。

 

1月に登ったアコンカグアは南米大陸最高峰、そしてこれから登るキリマンジャロはアフリカ大陸最高峰です。

 

ちなみに、これら各大陸の最高峰は「セブンサミット」と呼ばれていて、下記の通りです。

 

【アジア大陸】エベレスト(8,848m ネパール・チベット)

【ヨーロッパ大陸】エルブルス山(5,642m ロシア)

【北米大陸】デナリ(6,194m アメリカ)

【南米大陸】アコンカグア山(6,962m アルゼンチン)

【アフリカ大陸】キリマンジャロ山(5,895m タンザニア)

【オーストラリア大陸】コジオスコ(2,228m オーストラリア)

【南極大陸】ヴィンソン・マシフ(4,892m 南極)

 

ヒマラヤ山脈には7000m、8000m台の山がたくさんあるので決して世界標高TOP7ではないのですが、分かりやすい指標なので登山をする人にって憧れの1つです。

 

ちなみに難易度に関していえば、エベレストが断トツで難しく、かなり差がついてデナリ、アコンカグアという感じらしいです。今回登るキリマンジャロは、ほとんど登山をした事が無い人でも体力があって高度順応さえ出来れば登頂可能だと思います。

 

という訳で、せっかくタンザニアにいるんだからキリマンジャロは登りたい!登頂目指して頑張ります!

 

 

キリマンジャロ登山のコースはいくつかあるのですが、主に使われるのは「マラングルート(山小屋泊・4泊5日〜)」「マチャメルート(テント泊・5泊6日〜)」の2つです。

 

マラングルートは山小屋で宿泊出来るものの、1日に上げる標高が高く、かつ1日少ないスケジュールなので高度順応が難しく登頂率は低め。意外とテント泊のマチャメルートの方が登頂率は高いそうです。というか、いずれも6000m近い山を登るには短期すぎる気がしますけど…

 

どっちにしようか悩んだのですが、テント泊は散々してきましたし、せっかくだからキリマンジャロの山小屋を見てみたい!という理由でマラングルートに決めました(高度順応の進み方次第では1泊延長する事も検討)。キリマンジャロでは単独での登山が禁止されているのでガイドを付ける必要があります。

 

ちなみに申し込んだんは日本人に人気らしい『キリクライマーズ』。いくつか回ろうと思っていたのですが、ちょうど仲介屋(旅行客を代理店に連れていく声掛け屋)がここを紹介してきたので、価格交渉して決めちゃいました(価格:1020ドル+チップ)。

モシの町で1泊した後、早速キリマンジャロ登山の開始です!

 

ちなみにこの日にキリクライマーズに申し込んだのは僕に加えてオランダ人の2人組だったらしいのですが、なんと彼らの荷物がタンザニアの空港でロストバゲッジしてしまい、荷物を待つため急遽日程変更したそうで。

 

結果、この登山の参加者は僕一人、そこにガイド1名、ポーター2名、コック1名が付きます。贅沢だけど、なんだか寂しい…笑

 初日は『マラングゲート』と呼ばれる登山口(1820m)から『マンダラハット(2730m)』まで約3時間の工程。道のりは短く標高もまだ高くないため、正直言って“足慣らし”的に過ごせる日です。

 

写真だと分かりずらいのですが、実はこの日は雨…。考えてみれば、この時期のタンザニアは「大雨期」と言われるくらいの時期でした(ただの雨期じゃなくて、雨期です!)。登山で天候が崩れるのは付き物ですが、やっぱりテンションは下がりますよね。

 

3時間なのであっという間にマンダラハットへ。山小屋は思ったよりもしっかりしていて、快適に過ごせそうな雰囲気!!

 

小屋の中もシンプルだけど小ぎれいな作りになっていて、十分リラックス出来そう。アコンカグアで自分でテントを運んでひたすら雪を溶かして水を作っていたのを思い出すと、なんと快適な登山でしょうか。笑

 

しかし衝撃だったのは、なんとこの日のマンダラハット宿泊者が僕だけだったという事。

 

同じグループの話じゃないですよ?この山小屋エリア全体に僕一人しかいません。年間数万人が登頂を目指すと言われているキリマンジャロで、まさかこんな事があるなんて。

 

キリマンジャロは一応「年間を通して登山可能な山」とされているものの、やはり雨季は天候が崩れがちだったり、気温が下がったり、それらの結果雪が増えるので登山者数はぐっと下がるようです。これは…全くの想定外でした。ま、別に問題ないっちゃないんですけどね。笑

少し休んで、食堂に向かいます。当然ですがこの大きな食堂にも僕しかいません。贅沢というか、なんだか寂しいというか…

 

マンダラハットに着いて一息した後は、ポップコーンと紅茶のティータイムを設けてくれます。これは毎日あって、リラックス出来る好きな時間です。

 

ちなみに食事はちゃんと専用のコックが作ってくれるのでなかなかの味です。決して豪華ではありませんが、スープとメインが毎回提供されて、しっかりエネルギーが取れている感じがします。

 

さて2日目です。この日は標高を約1000m上げてホロンボハット(3720m)に向かいます。残念ながらこの日も雨。まあ、なんてったって大雨期ですからね。

 

ネパールでもそうでしたが、ここでも荷物を運んでくれるポーターさんには頭が下がります。ちなみに、キリマンジャロのポーターは約15kgほどの荷物を運びますが、ネパールのポーターは30kg以上。ヒマラヤシェルパの凄さをあらためて感じます。

 

ちょうど5時間ほどでホロンボハットに到着。ここもなかなか快適!

 

ホロンボハットには僕以外に2組ほどの登山者がいました。同じタイミングで食事を取っていたポルトガル人のご夫婦は、高山病でかなり苦しそう。昨日もここに一泊したそうですがまだまだ順応出来ていないようで、僕が持っていた高山病薬を分けてあげました。

 

とはいえ、標高3000mを越えると高山病の症状がいつも出始める僕自身もやはり軽い頭痛を感じます。ここで一泊して、もし明日の朝に高山病の症状が残っていればもう1泊、調子がよければ次に進もうと思います。

翌朝。

 

頭痛が消えた!調子は良さそうなので次のキボハット(4703m)に向かうことに。ちなみに朝ご飯も毎回ボリュームたっぷりです。

 

念のためにここからの2日間は僕も高山病薬を飲むことにしました。とにかく、毎日1000mずつ標高を上げるというのは本当にクレイジーな工程。登山の常識から考えるとあまりよろしくはありません。ここまで来て登頂出来ないのは嫌なので、念のために薬を飲みます。

この日も歩行時間も約5時間。アタック日以外は、行動時間が短く大きな荷物はポーターが持ってくれるので、決してハードではありません。標高4000mも越えるといよいよ森林限界に入ります。ようやく、うっすらとキリマンジャロが見えてきました!

 

 いよいよ今日の宿泊地であるキボハットまで残り1時間!というあたりから、やたらと呼吸が苦しくなってきました。ほとんど傾斜は無い道なのに5分も歩けば呼吸を整えないと歩けません。いよいよ本格的に高度の影響が出てきました。焦らずに大きく呼吸をしながらゆっくりと進みます。

 

かなり苦しみながらキボハットに到着。他の登山口から登ってきたテント泊組とも合流です。軽い頭痛は残り、体にもあまり力がはいりません。あかん、完全に高山病や…

 

雲の上まで来たこともあり、上空を見上げると晴天。キリマンジャロも全貌を現してくれました!明日、いよいよあれに登ります!

 

夕焼けも美しい。これはもう、登れる気しかしない!頭痛いけど…

 

キボハットでは大型のドミトリー部屋。それでも部屋には他の客はおらず貸切!体調があまり良くないので、人の事を一切気にせず寛げるのはありがたいかも。

 

食欲は若干不足気味だったのでご飯があまり進まず、代わりにスープを多めに取りました。今日も引き続き高山病薬を飲んで就寝。明日、深夜12時に起きて登山開始します。紅茶も飲みまくりとにかく水分摂取に努め、睡眠後の回復を期待して眠りにつきます。

 

 

 

12時、起床。

 

体調はベストとは言えないものの頭痛はほとんど無くなっていて、特に問題なく登山開始出来そうです。簡単にクッキーと紅茶を飲んで、12時半に出発です。道はもちろん真っ暗。ヘッドライトの明かりを頼りにポレポレ(現地スワヒリ語で“ゆっくりゆっくり”という意味)と登って行きます。

 

ちなみに、アタック日のように標高も高く傾斜もある時は、呼吸も乱れやすいのでガイドともほとんど会話はしません。単純にしんどいですし。ゆっくりと大きく呼吸をしながら一歩ずつ歩きます。

 

景色も真っ暗だし会話もしないので、なんというか、頭の中がヒマなんですよね。何考えて過ごそうかな〜、みたいな。

 

僕の場合は、高度計を使いながら“標高10m登るのに何分かかっているか。このペースだと何時に登頂予定か”などをひたすら計算してヒマ潰しします。笑

 

この時は標高5000〜5300mくらいまでは3分毎に標高10m上げていて、その後5600m地点くらいまでは4分かかっていました。3分毎に標高10mということは毎時200mなので、何時には到着予定だな。あれ、少し遅れてるぞ?高度に順応出来ていないからなのか、歩き方に何か問題あるのか、それとも雪の影響か?

 

…みたいな事をひたすら考えながら歩きます。特段楽しい訳じゃないのですが、特に考えることがないんで。笑

 

特に5300mあたりから高度の影響が顕著に出てきて、やたら呼吸が荒れます。今の時期は雪もあり、なかなか進めません。思考だけでも集中力をキープしていた方が時間の進みが早いんです。笑

登り始めて約5時間。ようやく頂上近くのポイント『ギルマンズポイント(5685m)』に到着!でもかなり苦しい。ここで事前に買っていたレッドブルとチョコレートを食べてエネルギー補給。一服して再スタートです!

 

頂上近く、少しずつ日が明け始めます。

 

明るくなってきて始めて、自分がこれだけ大きな雲海の上にいた事に気付きます。

 

 標高6000m近くから見る日の出。最高やん。

 

 さて、もう頂上は間近。いつまでも日の出見てずにさっさと登頂しましょう!

 

登り始めて約6時間、時は6時40分。無事にキリマンジャロ登頂!!

 

この日では一番乗りだったので頂上も一人占め!(そもそも、アタックしている人めっちゃ少ないんですけど。笑)

5000mを越える高所での苦しい道のり。そこから見下ろす絶景と朝日。キリマンジャロを登山した方のブログとかを読むと、その達成感から涙を流す人も少なくないようです。

 

気付けば、僕も目から涙がこぼれていました…

 

 

…とはなりません(笑)。なんでしょう…基本的に、感情の起伏が小さいんですよね。笑

 

アコンカグアとか他の山でも、登頂したら「よし、んじゃ帰るか!」とすぐ切り替わります(笑)。まあ、あんまり標高高い位置に長くいたくないですしね。

という訳で、帰るかっ!!頂上滞在は10分程度!!

 

キリマンジャロの影が雲海に写る、逆さ富士ならぬ「逆さキリマンジャロ」?

 

マチャメルート(テント泊・5泊6日ルート)から登ってくる人も何組か見かけました。

 

帰りは延々と続く下り。毎度そうですが、下り始めた時に脳が疲労を認識するのか、一気に疲れが出てきます。下りなので呼吸が乱れる訳じゃないのに何度も休憩を取りながら下山していきます。

 

この日は、登り2日目にも泊まったホロンボハットまで行き宿泊。翌日、無事にモシの街まで戻ることが出来ました!

下山後は登頂証明書をもらいました!ガイドは、たまにイラっとする事もありましたが比較的良いやつでした!ありがとう。

 

下山後は、せっかくここはキリマンジャロ!という事でキリマンジャロコーヒー(カフェラテやけど…)を。

 

わずか5日間で6000m近い山への登頂、なかなか高山病に苦しみましたが無事に登れて良かった!

 

自分で登ってみて思いましたが、キリマンジャロ登山に必要なのはとにかく「高度順応」と「最終アタック日に必要な体力・気力」。前半3日間は全く問題ないでしょう。高度順応はやはりかなり無理があるので、出来ればもう1泊するか、マチャメルートを選んだ方が確実だとは思います。

 

いずれにせよ、登山経験がほとんど無くても登頂が可能というのは本当だと思います。もちろん登山なので全く安全な訳ではありませんが、「登りたい!」という気持ちがある方は(しっかりと準備の上)是非チャレンジしてみて下さい!

 

という事で、ありがとうキリマンジャロ!

ちなみに、今回払った登山ツアー代1020ドルのうち、約700ドルは直接国立公園に支払っています(つまり、ガイドやコック、料理や山への往復費用などは残りの約320ドル)。

 

入山料高いな〜と思う一方、それなりにクオリティの高い山小屋などをちゃんと整備している事を考えると、その価値も感じます。アフリカの国にとっては、貴重な財源にもなるでしょう。

 

一方、日本の富士山は数年前から入山料1000円を任意で取っていますが、こういう例をふまえるともっと取っていいんじゃないかと思います。

 

例えば3000円(あるいは30ドル)くらいでも良いんじゃないでしょうか。今や富士山は世界遺産でもありますし、登山者の2割以上は外国人(インバウンドが増えればもっと増えていく?)。混雑が問題になっているくらいなので、これくらい取っても登山者は大幅に減らない気がします。

 

富士山の年間登山者数は30万人前後なので、一人3000円取れば年間10億円近い入山料が集まります。10億あれば、十分な清掃活動やさらなる自然保護、あの何の魅力もない山小屋の改善や、外国人対応するための英語スタッフの採用など様々なことが出来ると思います。今は「吉田ルート」に集客が集中しすぎているので、他のルートの魅力を高めて登山者を分散させる事も出来るかもしれません。

 

世界を旅していると、富士山の認知度は意外と高く、「登りたい」と言う声もよく聞きます。そういう世界中の人たちに向けて、富士山の魅力がさらに伝わるよう、ユーザー体験をもっと高められるのでは?と思いました。

 

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PROFILE

Sohta Yamaji

1985年生まれ、大阪出身。
約1年かけて世界を旅しています。

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